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Counter world⑥ [Counter world]

森友問題、日本会議の件まで及びましたが随分過去に森友問題の時に書いていたことですが今更感さえありますが省庁に責任をすべて押し付けて、時間と共に問題が片付くのか、お得意の通り過ぎ作戦に徹するのか?、安倍政権、麻生さんの親戚仲良し政権がざわつき始めました。安陪さんが党内の意見を通さずにいろいろやろうとしすぎたことも含めて、自民党内でも内乱が起きている状態なのでしょうか?これに乗じて、石破さんと小泉ジュニアが協力すれば、次は新しい政権の兆しも見えるような気がしますが日本会議のメンバーと経済連のメンバーの方々の名前を考えると、危うくてもこのまま安倍政権は継続すると思います。政治に期待しない、出来ない人たちに加えて、政治に興味の無い若者たちの多いことに加えて、自民党神話を未だに信じている投票数を多く握る高齢者世代と、日本の政治も本当に混沌としている気がしますが一個人それぞれにそれぞれで自分の生活、日本の未来について、しっかりと準備して、考えておかなければいけないと改めて、感じました。




しかし、こんな時に死刑執行の為にオウムの死刑囚を全国に移すとか、何を考えているのか?


全国各地で何か起こったらどうするんだ?とか、わざわざ全国ニュースで国民にお知らせしなくてもいい事を何故開示したのか?


疑問しかありません。


死刑執行後に普通は事後報告ニュースはあってもあんな事は今までなかったような気がします。


オウムに紛れて、偽オウムや昔のオウムに心頭しきっている洗脳が解けていない人などのテロとか起きない事を願うばかりです><






安倍政権のままでもそうでない政権が建つとしても、日本が国民にとって良い方向へ動いていく事を願います!








ネタ尽きの中、楽しみにしていたものがインドから到着しました♪




その名もシヴァアイ(シヴァ神の眼、神の眼)


という名の天然石ではなくて、貝のルースです。


インド北部のゴマティ川流域で採れる貝ということらしいですが質の良いものと悪いものの差と価格がはっきりしている印象をもった貝です。

シヴァアイで検索して画像をいろいろな柄を見てもらっても分かりますが、色濃く、緑から茶色に至るまでのコントラストに加えて、細かくしなやかな曲線がはっきりと何本も見えるものは少ない。

この線はルーペなどで拡大するとするほどに筆で丹精込めて描かれたように綺麗な線が浮かび上がっています。

そして、わがままにも一般的なルースではなくて、スクウェア(四角)の形を探していましたのでこれだ!と自分が思うものに出会えるまで1年くらい掛かってしまいました。

何度もこれくらいならいいかな?と何個か、カートまでいき、やっぱり止めた(笑)という行動を繰り返してました^^;

効果を調べると何個も持つようなものじゃなく、これだと思える1個を探さなければと、リアリストを公言しながら、直感でそう思った不思議な貝(石じゃないw)です。

シヴァアイの効果

・世界中で愛されている幸運のお守り。
・地元インドでは、繁栄と健康のお守り。
・身に付けることでシヴァアイ(シヴァ神の目)に象徴される「サードアイ(第三の目)」が
活性するとも言われています。
・強運になり、迷いがなくなり、力強く道を進めるようになる。


なるほど、なるほど、優柔不断で迷走中の自分にはありがたい効果です><


ただ今回は光の加減で驚くようなものが写りこみました。


シヴァアイの表側


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シヴァアイの裏側


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裏側アップ


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そして、問題の表側のドアップ






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そこだけを強調してみます。





画像を拡大して見てください!(インド風な神様に見えませんか?w)



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中心にシヴァ神が右手に剣、左手が複数(複数腕がある神さまって仏教の仏さまっぽい)あるように見えませんか?(見えない人のほうが多いかもw)



偶然は必然の法則からすると、インドからシヴァアイに入り込んで日本に来ちゃいました(テヘッ)的な感じなのでしょうか?(顔つきに見える感じからも違うと思う^^;)


目視でみると丁度薄くなっているようなところでルーペで見ても画像のようなシヴァ神のお姿(敬語w)には見えないんですがどうしてこうなった?

破壊と再生の神さま(シヴァ神)降臨でお守りにするにも恐れ多いような何とも言い難い気持ちです^^;

シヴァアイは時間を掛けて、自分の直感で自分用のシヴァアイに出会えるとシヴァ神ももれなく守護してくれるかもしれないというお話でした(違)

弱気で優柔不断でのんびりで気分やな自分も神様が派遣されて、変化することになるのでしょうか?

それにしても、ブログに載せる画像を選んでいたら、何これ?な画像に驚いたお話でした^^;





それでは画像をじっくり見たままの不思議な気持ちのまま、小説の続きをどうぞ♪




Counter world⑥

(一条籐哉④)


「それで籐哉はこれからどうするの?」

アリーシャが素朴な疑問をぶつけた。

「それより、アリーシャ。ちょっと聞きたい事がある」

「言ってみられよ、一条籐哉どの」

悪ふざけ気味のアリーシャ。

「確かさぁ、時間の単位はこの国には存在しないって言ってたよな?」

「そうですがそれがどうかしまして?」

女王様口調がまだ続いている。

「でも、アリーシャ自身でも分かっているだろうが成長している」

籐哉の疑問をぶつけても、アリーシャは平然としていた。

「それはそうですわ。食事も就寝も取りますし、生活を積み重ねていますから」

「なるほど、生活の積み重ねか。時間の概念がない環境だとそういう答えになるのか」

「籐哉のいる世界だと時間と言うものに縛られている感じがしたけど」

「縛られると言われれば、そうかもしれない。時間を上手く使うために予定を立てるけど、時間に支配されてる感もたまにある。でも、永遠に軟監禁とかありえないだろう」

籐哉の眼がアリーシャの瞳を見据えている。

「ええ、この世界の人間は自分の寿命をある程度は感じる事が出来る。もちろん、変化していくものではあるけど。籐哉の世界で言う年齢を感じた感覚と似たような感じかもしれないし、正確には違うかもしれない。でも、永遠に生き続けられるわけじゃない。だから・・・・・」

その続きの言葉をぼそぼそと呟くアリーシャ。

「アリーシャさま、この者に女心を試されても無駄です」

レイリアは籐哉の方を蔑みながら睨んでいる。

「レイリア、私も何だか分かってきたわ。籐哉はあちらの世界に別の女がいるらしい。でも、まだ何もしていないと言ってました。約束された相手ならもう結婚もされている年齢だとは思いますがまだのよう?みたいですしね」

籐哉の耳に聞こえるようにアリーシャが答えた。

さあ、籐哉、どう答えるの?

私はすでにあなたとの初めてを交わした。

向こうの世界にいる女よりもあなたとの親密度は遥かに高いはず。

しかし・・・・私は・・・こんな頼りなさそうな男に何を求めようとしている。

私のように白い肌ではく、瞳の奥も茶色、黒色?

この瞳の色は少し苦手だ。

背は私より少しだけ大きいくらい。

体格も痩せ型で戦士のようでもなければ、城主や王としての雰囲気も持ち合わせない。

そして、ドラゴンの加護を微塵も感じない。

いや、これからドラゴンに戦いを挑むのだから。

いや、会いに行くって言ってたかな?

いや、私が勝手に言ったんだ。

ドラゴンと対峙する人間だって。

何であんなこと言ったんだろう。

それに何で籐哉は文句一つ言わないんだろう。

先が見えない状態で恐くないのかな。

これから先のことが恐いのは私自身。

「アリーシャ、俺の世界だと、まだ幼い年齢だとされてる。歴史の中ではそういう時代もあったようだけど。それと他の国ではそうなのかもしれない。争いも知らなければ、命を懸けて戦う事も無い国に生きている。その分、学べることが沢山あるし、その時間で多くの知識を付けることも出来る。卓上の空論と言われても学ばないよりは学ぶ事で多くを得る事が出来る。それは時間を越えて身につけることが出来る形や結果のない感覚のようなものなのかもしれない。アリーシャの世界で言う感覚とは違うと思うけど。彼女にことについては今は触れられたくないし、どうしていいのかも分からない。この世界から僕の世界へ帰れるのかさえ、分からないし、とりあえず、ドラゴンに会いに行くしか方法がないのならその案に乗るしかない事は分かった」

アリーシャへの返事ではなく、今の自分自身の気持ちと考えを籐哉は心の底から吐き出した。

「籐哉がドラゴンに会う事は多分出来ない。あなたにはドラゴンの加護を感じない。ここの王様はドラゴンに選ばれたのかもしれないし、何らかの力と目的の為に向こうの世界へ行ったのかもしれない。でも、あなたには自分の世界に帰りたいという気持ちすら感じない」

心の底から吐き出したはずの言葉を籐哉は否定された上に本心でもないと言われる。

「それなら俺自身の存在が無意味かもしれないということになるな。無意味や不可能と分かっている事を成し遂げる事で俺自身の存在が意味を持つかも知れない。それが本心だ。正直、世界だの、彼女だの、未来のことだとか、どうでもいい。それよりも死ぬまでにどれだけ多くの書物を読破できるか、その事が大切だと思っていた。でも、綾乃に出会って、心がホンワカして、ドキドキして、別の男子と仲良く喋っているところを偶然見かけただけで不安になったり、手を繋いだだけでその不安も一瞬で消えたり、何も喋らなくても何となく俺の事を分かってくれてるような気がしたり、一緒にいる時も離れている時も綾乃の事を考えると、俺って生きてるんだなと思えるようになった。ようやくそういうのが幸せなのかなと気付き始めたそのタイミングでこの世界に飛ばされたんだ。頭の中は混乱と混沌の混合と混雑で考える気力も動こうとする気持ちも涌かない。勇者様でもなければ、王子様でもないし、ましてや、王様でもない。それが一条籐哉という人間だ」

「アリーシャ様、この男、文句と弱音とデレデレ感を語りたいだけに聞こえましたが」

「ええ、私もそう感じました」

「そうだとして何か問題があるのか?」

「アリーシャ様、ついに開き直りました」

「レイリア、それよりもそろそろ食事にしましょう。私はお腹が減りました。しかし、このような状況なので部屋移動は困難です。申し訳ないけど、あなた1人で3人分の食事を用意してほしいのだけど」

「この男の分もですか?」

「ええ、最後の晩餐よ。聖域の中に入れず、死んでしまう可能性のほうが高いんだから、盛大な食事を用意してあげて」

「分かりました。さすがアリーシャ様、慈悲深きお方です。ドラゴンの加護もないものが聖域を越える事が出来る話は聞いた事がありません。最初にして、最後になりますが美味しいものをご用意して差し上げます、一条籐哉」

「食事の時間もよく考えたらないんだったな。時間のない世界。なかなか慣れそうにないかもしれないなあと思いながら食後のドラゴンの聖域試練で慣れる前に風前の灯宣言をされるともうどうにでもなれって気持ちになるんだな。こういう気持ちは初めてだ」

「初めてのづくしの短命人生、それもまたよろしいのではないですか?」

「他人事だと思って」

「いえ、運命を共にするんだから私も当然聖域に挑戦するわよ」

「アリーシャ様、それは無謀な行為です。おやめください」

「レイリア、あなたはもし私が消えてしまったら私の財産をあなたに委ねることを文書に書き記しておきますから少しでも良い人生を送れるように考えておきなさい」

「いえ、それなら私も聖域に挑戦いたします」

「そういうことなら3人揃っての最後の晩餐か」

「いえ、私とアリーシャ様はどうにかして、聖域を突破いたします。最後の晩餐はあなただけです」

「よく言ったわ、レイリア。それでは食事の方、頼むわね。私は用意できるまで少しベッドで横になっておくわ。もし寝てしまっていたら起こしてちょうだい」

「かしこまりました」

「俺はここにある書物でも読むとするか。何が書いてあるのか分からないけど、この本のように絵と説明付なら何とかなると思うし。たった一日でも別世界の書物に触れることが出来たならその見返りが命か。その前に一日というものがないから一日もはっきり区切れないし、モヤモヤっとした感覚だな^^;」

「私も覚悟を持ってこの国に来たのよ。幼き王であっても神国の王様に嫁ぐことになったからには」

「はいはい、そこまで。その王様は今はいないし、お前は俺を選んだ。その事に関して、俺も本来なら真剣に向き合って返事をしないといけないのも分かっている。でも、俺は綾乃と分かれる気はない。でも、お前は俺を選んで命を懸けて助けてくれようとしている。それに応えたい俺もいる。でも、やっぱりお前はこの国の王様と結婚するべきだ。そう思うから俺もおまえの為に頑張ってみようと思う。それが返事でもいいか、アリーシャ?」

「それもまたあなたの本心なんだね、籐哉。私も正直、混乱している。混乱している中かもしれないけど、自分の信じる感覚であなたを選んだ。そして、私の覚悟であなたに初めてを捧げた。だから私を選ばないとしても私はあなたを選ぶ。それだけの事よ」

「いやいや、俺だぞ?大して背も大きくないし、寧ろお前と同じくらいか。お前を守れるほど、筋力も体格もない。あるとしたら向こうの世界で培ってきた書物から学んだ知恵と方法くらいか。俺の立場と状況からも聖域の情報は集める事が出来ない。この城を出ることが出来たとして、ドラゴンと話す事が出来たとして、またこの部屋に戻ってこれるかも分からない」

「それは大丈夫。そのときにはドラゴンの加護があなたを守護してくれる。そして、その時あなたはこの世界初の王族ではない選ばれた神国の王としてこの国を収める事になる」

「そういえば、ドラゴンに選ばれたものがこの国の王様だったな。俺が王様か。シュミレーションは得意な方だが時間計算やスケジュールが組めないこの世界だとどうすればいいんだろうな」

「その時は慣れていくしかないでしょうね、こういう事も」

それはアリーシャの咄嗟の行動だった。

気付くとアリーシャの唇は籐哉の唇に触れていた。

「お妃様、お戯れも大概にしてください」

籐哉はアリーシャの唇と自分の唇の間を右の人差し指を横にして塞いだ。

「だって、最後かもしれないのよ。それに私はあなたを選んだのだからその権利を主張する」

「間違っては無いと思う。それに嫌いでもない。というか、こんな綺麗な女性に好きになってもらえるなんて夢のような話だとも思う」

「好きだとは言ってない。選んだだけ。選択肢として選んだの。だから権利なのよ。分かった」

「権利か。アリーシャには確かにあるよな、選ぶ権利。でも、キスをする権利って何なんだ?」

「そこは深く考えなくてよろしくてよ。立場を弁えなさい、一条籐哉」

「はい、アリーシャ様、ごまかし入りました。少しお顔も赤いようで大丈夫でしょうか?」

そういう籐哉の顔も負けず劣らず、同様に火照っていた。





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ご訪問ありがとうございました♪


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Counter world⑤ [Counter world]

前々回の記事で黄色のガーネット、マリガーネットをご紹介しました。

グロッシュラーガーネットにはヘソナイトとよばれるガーネットもあります。

このガーネットは見た目が飴玉のような濁り(糖蜜状組織)が特徴でそのままお口にパクっとしたくなるような見た目をしてます。

ヘソナイトは、成分の違いで、別の鉱物の部分があると、そこはヘソナイトじゃなかったりするレアでマニアックなガーネットらしいです。

ヘソナイトは赤みの強い色のタイプがシナモン・ストーン、赤澄色のタイプがヒヤシンス(ジャシンス)と呼ばれるそうです。

自分が持っているものは赤みが強いのでシナモン・ストーンだと思いますがその名前の秘密は後で分かりますのでお楽しみに♪



以前、スペサルティンガーネット、マンダリンガーネットを紹介したことがありますが、オレンジガーネットは別に存在するようなことを書いたような、書いていないような気もするのですが、これがそのオレンジガーネットになります。赤澄色タイプ(ヒヤシンス)の方はオレンジガーネットといっても深みのある紅茶のような色でオレンジに見えないような^^; 

グロッシュラーガーネットは多くの亀裂を含む結晶で産出されるため、傷や内包物がなく、透明度も高い物は希少だということです。

           詳しくはこちら(猫車さんのホームページ)

              ↓  


http://www.nekoguruma.site/entry/2017/05/21/%E3%83%98%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%EF%BC%9AHessonite_Garnet


ガーネットに嵌った原因は、この方のページを見に行くようになってからです(笑)






前置きが長くなりましたが自分の持っているヘソナイトを紹介します。






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どこがオレンジだ?




赤の深いガーネットじゃないか!



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ヘソナイトガーネット(マダガスカル産出)




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鑑別書の検査だと、半透明(光を通す検査だと目視で透明度が高く見えても糖蜜状組織を含むヘソナイトはやはり透明ではないということを証明しているのかもですね^^;)






そして




シナモンストーンと呼ばれる意味は光(白いLED懐中電灯の上に乗せてます)を当てると分かります。






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シナモン色に変身しました♪



鑑別書ではカラーはブラウン(光を当てるとシナモン色なのでシナモン色がないのでブラウンかぁw)



赤の濃さに加え、透明度も良く、光を当てると、上品なシナモンの色合いを出してくれるので良質のルースだと思っています。




上の3枚の画像はスマホ画像です。




最後の一枚はスマホよりも性能の落ちるいつものデジカメにマクロレンズを装着して、さらに宝石用の拡大鏡を合体して撮れた飴玉(違)ドアップ画像。







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ヘソナイトにしては透明度高いのでやはり希少なレベルのルースだよなと改めて思いました



古いコンパクトデジカメではマクロ機能を使っても、マクロレンズを装着しても、限界があり、今回試しにさらに40倍を上乗せしたらまあまあの画像が撮ることに成功!(なのか?)




普段、原石や宝石をニヤニヤ覗く大切な相方さんをご紹介。




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40倍はレンズも大きく、使い勝手がいいです。



60倍はブラックライトとLEDライトの切り替え機能付きで原石によっては偽物と本物の見分けにも便利です。


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ヘソナイトはグロッシュラー(ライト)ガーネットなので効果はマリガーネットと同じです(以下省略的w)


ガーネットの赤色というのは本当に奥が深いです。



それではCounter Worldの更新も頑張ります^^



Counter World⑤


(トゥーヤ・アルフレート②)



一条家のダイニングテーブルで落ち着いた様子で食事をするトゥーヤ。

その向かいの席に陣取り、その様子を窺う東子。

少し離れた距離でTVを見る振りをしながら動揺を隠せない進。

「どれも逸品だ。あなたはいつもこのような食事を作っておられるのか?」

テーブルの上に置かれていたのは味噌汁、ブタの生姜焼き、漬物、ごはん、お茶

「毎日朝ごはんはこんな感じかな」

王子様相手にどういう言葉遣いをすればいいのか、東子は考えながら喋ろうとしているが、ぎこちない口調を隠せない。

「そういえば、そなたたちの名前をまだ聞いていなかった。私の名前はトゥーヤ・アルフレート。トゥーヤと読んでくれれば良い」

「私の名前は一条東子、外国読みで行くと、東子 一条だから、東子でいいわ。それと私のだんな・・・、夫のが分かりやすいか。進 一条。tohko と susumu でいいわ」

「とぅこ すすむ 短い間になるとは思うがこれからよろしく頼む。こちらの世界での目的が終われば、私の存在はそなたらの記憶にも残ぬかもしれぬがなるべく早くあの部屋の主をこちらへ返せるように尽力する」

その言葉を聞いて、徐に進が立ち上がった。

「どうして私の息子なんだ。私の息子は原因となるようなことを君に何かしたのか?俺達の大事な宝を今すぐ返してくれ」

感情を抑えきれない進を見て、椅子から立ち上がり、東子が駆け寄る。

「あなた、籐哉はどんな状況でも乗り越えて、ここに帰ってくる。そう、信じましょう。トゥーヤさんの言う事が正しいとは限らないわ。私達の息子です。自力で帰ってくる方法を見つけるかもしれない」

「籐哉と俺達には血の繋がりがない。それでもあいつが俺達の所へ来てくれて、俺達の息子になってくれて、成長していく姿を見るのが俺の毎日の楽しみだ。それが突然、別の世界に飛ばされた?いつ帰ってこれるのか分からない?目的があるか、無いかはこの際、どっちでもいい。籐哉を向こうに飛ばさなくても、トゥーヤ君、君だけこっちに来ればいいんじゃないのか?」

「そういえば、どうして、トゥーヤさんが来るのに、籐哉がこちらの世界から居なくなることになったのかしら?」

「ドラゴンの意志なのかもしれぬ。私と何らかの心の接点があったのかもしれぬ」

「心の接点?」

東子が聞き返す。

「いや、聞かなかった事にしてくれ。あくまでも私の憶測に過ぎぬ」

「ドラゴン?そんなものが本当に存在するのかは分からないが籐哉のやつ、不思議な夢を繰り返し見ていたのを思い出した」

「籐哉が初めてこの家に来た日もそうだった。まだ4歳だったあの子は緊張からか言葉数も少なく、食事も多く残して、ソファーに座らせたら、気付けば眠りに就いていた。それを見届けて、私達が食事を取っているとその途中で急に泣き始めて、起きたでしょ。真っ暗で恐い場所に居たって」

「あれからも定期的に同じような夢を見るって言ってたな。真っ暗で恐い場所ではなくなったらしいが」

「七色の雪が太陽の代わりをしている世界だったか?」

「そうそう。幻想的な世界だからお母さんにも見せてあげたいって、その夢を見るたびに口にしてた」

「トゥーヤ君、籐哉の見る夢は今回の事に関係していると思うかい?」

「それはover wallだな」

「over wall?」

東子と進の声が重なる。

「この世界と私が居る世界の間にある世界だと私は思っている。私達の世界では心と体には別々の世界が存在すると言われている。そして、私はover wallと呼ばれる世界でドラゴンと話した。正確には私の身代わりになり、私の国に変革をもたらす人材の要請を願い出たとでも言うべきか。それをドラゴンが聞き入れた」

呆然としながら二人はトゥーヤの話を聞いている。

「籐哉が選ばれたということはその理由があったということかしら」

「別の世界の国の変革をもらたす人材。籐哉なら出来るかもしれない」

「しかし、すべては私一個人の勝手な願い。今思えば、お二人と、あの部屋の主には本当に申し訳ないことをしたと思っている」

食事を終え、椅子に座ったままだったがそのままの姿勢でトゥーヤは頭を下げたまま、上げようとしない。

「トゥーヤさん、もういいから頭を上げて」

「まだ信じられないが信じるしかないんだな」

「申し訳ない」

上げた頭をまた下げるトゥーヤ。

「それでトゥーヤさん、聞くのを忘れていたけどあなたはどこかの国の王子様?」

「いや、今は国王になった。古のドラゴンが守護する国シュラールの国王、トゥーヤ・アルフレート」

その言葉に二人は魂を抜かれたようにさらに呆然とした。

「お二人とも大丈夫か?」

「王子様かと思っていたら、王様だったなんて」

「その年齢で王様なのか。内乱でも起きたということかな?」

「年齢とは?」

「私が40歳、妻が39歳になる。息子の籐哉は17歳だ」

「少し待ってくれ、心で感じてみる」

「心で感じる?」

トゥーヤは目を閉じて、何かを考えているようだ。

「この世界の年齢では私は12歳ということらしい」

「トゥーヤさんの世界には数字は存在しないの?」

「数字と言う単位は存在する。しかし、年齢と言う単位は存在しない。それから時間というものも存在しない」

「こちらが聞く前に時間のことまで」

「私の住む世界には朝昼夜というものが存在しない。こちらの世界を照らしている太陽も存在しない」

「トゥーヤは私の心の声が聞こえるの?」

「東子、さんが抜けてる抜けてる」

「びっくりしすぎて、忘れてた」

「東子、進も向こうで私が王様であろうと、さんも君もいらない。それからこの世界の知識はこの世界に住む精霊にご教授頂いた。シュラールの一部の人間に備わる才能のようなものだ。君達には見えていないのかもしれないが私の直ぐ横に来ている」

「この世界に住む精霊が」

東子にはそれは伝説上の生き物として人気の高いイエティを小さくしたような生き物に見えた。

「東子にも見えるのか?あれはミニサイズのイエティなのか?」

「ええ、私にも確かに見えています。目の錯角でなければ、イエティのようなものが」

呆然の次は驚愕しながらその精霊をじっくりと凝視している二人。

「見えるのか。まだ会ったことはないがさすがにあの部屋の主の父君と母君であるな」

トゥーヤの言葉に二人は笑いがこみ上げてきた。

「東子、まあ何とかなるか。俺は何にも出来そうにないけど」

「そうですね。籐哉が交換留学に行って、代わりにトゥーヤがこちらに来た。成長して帰ってくる息子の帰りを待つとしましょうか?」

「籐哉が今頃、王様か。いや、トゥーヤ君とは見た目も違えば、顔立ち、肌の色も違うから王様殺害の容疑者になっている可能性もあるのか。それでもあいつなら道を切り開く力がある。出来の悪い俺とは違って、成績は学内トップ、その裏側は読書マニアで偉人オタク。俺に似ているところと言えば、彼女の綾乃ちゃんを見ると、大人しそうな和風美人だから好きな女性のタイプくらいか。どことなく、東子に雰囲気が似てる感じだったな」

「あなた、照れるからやめてください。でも、綾乃ちゃんにはどういえばいいのかしら?やっぱり海外留学?行方不明だとは言えないし」

「しかし、海外留学だと学校側にごまかしようがないだろう」

「そこは最優秀生徒の力でなんとかなるかもしれないけど、綾乃ちゃんにどう説明しようかな」

「連絡先を聞いてるなら一度来てもらう」

「今日、連絡を入れておく。メールじゃなく、電話のほうがいいわね」

「お二人とも本当に申し訳ない」

再び、トゥーヤが頭を下げる。

「トゥーヤ、あなたは今日から私達の二番目の息子です。遠慮せずに何でも相談して。息子の部屋の書籍は自由に読んでいいし、使っていいからね」

「そうだな。トゥーヤ、こちらの世界での父と母は私達だ。何でも相談しなさい。この世界では君は王様ではなく、1人の少年だ。小さな事でも私達を頼りにしなさい」

あの部屋の主は幸せ者なのだな。

血の繋がり以上にあの部屋の主を思う、そしてこんな私を受け入れる強く温かい優しい心を感じる。

私も取り戻さねばならない。

血の繋がりではなく、心の繋がりをもう一度

もう一度 母上を 許されるなら 父上も

「これを貰ってほしい」

進と東子に一つずつ手渡されたのは青く輝く宝石だった。

「見た事のない石だけど、凄く綺麗」

「サファイヤのような、しかし全体は七色に輝いている」

「これはシュラールの龍の谷と呼ばれる場所でたまにしか発見されない貴重なイシュラールの名が付いた霊石。綺麗なだけでなく、所持する人それぞれに石が示す効果が違うと聞いている。なるべく肌身離さず持っていてほしい」

「トゥーヤ、大事にするわ」

「ドラゴン、精霊、霊石、時間単位のない国、驚き信じられなさ過ぎて、信じる・・・しかないな」

「ええ、籐哉も今頃、きっとあなたと同じような事言ってるわ」

「おいおい、向こうは死にかけてる可能性もあるんだぞ。代わりに俺が行ってやれれば」

「私とこの家の家計はどうするの?それにあなたが言ったら本当に死ぬ可能性が上がると思うわ」

「色々な意味でその通りだと思う。籐哉の帰ってくる場所を守っていかないとな」

「私のことはスルーですか?」

「色々な意味でと言っただろう」

「色々な意味とは?」

「仕事もそうだし、東子を不安にさせることは出来ない」

「よろしい」

二人の流れるような会話をトゥーヤはただただ笑みを浮かべながら見ていた。




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ご訪問ありがとうございました♪



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Counter world④ [Counter world]

本日は透明な石。

と言えば、水晶(クリスタル)を思い浮かべるかもしれません。

しかし、本日はこの原石になります。

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宝石用の非加熱のアクアマリン原石。

どの面から見ても、曇りのない透明度はクリスタルみたいです。

研磨できたら水晶のような透明度のルースになるんだろうな(研磨できないけどw)

アクアマリンなので非加熱の中でもブルーが強いほど(非加熱)、評価価値が上がります。宝石としては透明度合いも大事な評価価値になるので濁りやクラック産出が多いアクアマリンの原石の中では良質な原石だと思います(あくまでも素人知識w)

購入先の品質と検査表示での透明度はIF(最高級の透明度)

宝石質でいう透明度は石の中の透明度のことをいいます。なので各面の外側の汚れ?は研磨した時には外面も磨かれて、綺麗になるので画像で透明には見えないじゃん!というのは原石なのであしからず^^;

しかし、原石となると、外国からのものは画像詐欺(色の違うものや全く違うものが届く事もある←経験済み^^;)や自社表示ではぬるい所もあるので到着するまで楽しみなような不安なような、それが海外買い物です^^;

信用できる所を発掘して(石じゃないですw)、ここは信用できるという所も見つかりますが信用できる所に自分が満足できる原石が数多く見つかることもなく、寧ろ、ないかも^^;何千個、何万個見る事が楽しみな人でないと、納得できる石には出会えないかもしれません。これを日本のお店での出会いに置き換えると、田舎に住んでいるとさらに難しい^^;
ネット社会とはいえ、天然石は数も多く、非加熱や宝石質の原石は限られてくるので、ネット販売してないものも多い^^;
そう考えると、手間を掛けた幸せな時間を経験しているんだなあと改めて思え、その時間を掛けて、自分が手にすることが出来た面白いもの(来てくれた人が面白いと思うかは別ですがw)を紹介したいなと、たまに趣味雑談もそういう気持ちで書いてます。(タイミングを計る事も無く、こういうことを唐突に書くのはこのブログの特徴でもありますがw)

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アフリカ産出 非加熱 非処理

3.70ct

アクアマリン原石

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アクアマリンは白濁したものが多く、宝石でも綺麗なもののほとんどが加熱処理されたものです。

なので時間掛かりましたが、あえて、非加熱の良い原石を捜そうと頑張りました^^










アクアマリンといえば、薄青色のこの色を想像する人も多いと思います。






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こちらは産出の違う非加熱のブルースカイアクアマリンの原石になります。

アフリカ産出 非加熱 非処理

1.5~2ctぐらい?のものを何粒か撮影してみました。

綺麗な青空色したアクアマリンはアフリカの一部の地域でしか産出されない希少な原石ですが5ct未満の小さなものしか採れないようです。


青色でも自然の作り出す青はすげぇーと思いました♪

青と言っても、本当にブルースカイですよね^^

加熱処理されたものは余分な色のない澄んだ青色になり、そしていったんその青色になったものは変色しないという特性があり、加熱処理されたアクアマリンの色合いも好き^^ですが



加熱処理されていないアクアマリン本来の自然の色合いどうだったでしょうか?



アクアマリンの効果(下記参考と言うさぼりw)

   ↓

https://www.ishi-imi.com/2006/07/post_1.html



アクアマリンを調べると、ちょうど3月の誕生石だったのでタイミング良かったなあ♪と思いながら小説の続きをどうぞ♪





Counter world④

(一条籐哉③)

「黒装束?」

レイリアと呼ばれたその黒装束の女性はTVの時代劇で見たことのある忍者のような格好をしていた。

正直、アリーシャがレイリアと呼ばなければ、この状態では男なのか、女なのか、見分けが付かない。

「アリーシャさま、この者を生かしておくつもりですか?」

黒装束の女性は瞬時に籐哉の背後に立ち、籐哉の耳もとに直に聞こえるような距離でその言葉を囁いた。

「レイリア、止めるのだ。一部始終を見ていたのなら分かるであろう」

「しかし・・・」

「もう決めた事なのだ。いやなら、お前は本国へ帰っていい」

「それは出来ません。納得は出来ませんが私も残ります」

無抵抗の籐哉を相手に知らず知らずのうちに密着するような状態になり、レイリア自身はいつでもこの男を殺せる状態を作り出し、籐哉を威圧していたはずだった。

「す、すいません。離れてもらえないでしょうか?」

「駄目だ」

その言葉には苛立ちと苛立ちと苛立ちが込められていた。

「女性に後から抱きしめられた事が無いので緊張するのですが」

籐哉の顔が赤面していることにアリーシャが気付く。

「レイリア、籐哉から離れなさい!」

「いえ、この者が王になるなど許されることではありません」

「そうじゃなくて、私が捕まえた男から離れなさい。あっ!」

口を付いて出た言葉にアリーシャ自身が驚いているようだった。

「そうか、俺、捕まったのか」

「そうだ、お前はアリーシャさまの奴隷だ」

「確かにそういう立場になっていたとしてもおかしくないよな」

後からレイリアに抱きしめられたまま、妙に納得している籐哉。

「動けまい」

「いや、動こうと思えば動けるんだけどなあ」

レイリアはまだ気付いていない。

「強がりはいい。アリーシャさまの下僕としてお使えするというのなら命は見逃してやろう」

「アリーシャ、そろそろいいかな?」

「どういうこと?」

「こういうこと」

そういうと籐哉はレイリアの拘束からスルッと抜け出し、一歩前に出る。

「おのれ」

「レイリアさんだっけ。君、警護する人間じゃなくて、メイドだよね?」

「メイドで何が悪い。アリーシャさまをお守りするのは私1人で十分だ」

黒装束の格好に怯えていた自分に後悔している籐哉。

「二人の話はちゃんと聞いていたんだよね?」

「もちろん」

「それで俺をどうしようと?」

「姫様には身分が合わない。よって、私と結婚して、姫様をお守りするのだ」

「レイリア?」

アリーシャはまだ状況が掴めていない様子だ。

「アリーシャ、ちょっといいか。この人は勘違いしてる。俺は向こうの世界に帰る為にこれから行動を起こそうとしている。アリーシャは本国に帰れば、20年間城で軟監禁状態になる。レイリアは俺とお前がこの国を乗っ取って、二人の国を作ろうとしていると思っているんだ」

「ええ、その通りだけど」

平然と答えるアリーシャ。

「確かに約束はしたし、アリーシャの為に出来る事はやる。だけど、俺が元の世界に戻るのか分からない以上、いつ、どうなるか分からないんだ」

「ええ、それも分かってる」

「出会って、まだ何時間も経ってないぞ」

「何時間?それって何かの単位?」

この世界は時間を計測しながら生活していないのか。

そういえば、この世界の外の光源も太陽の光とは違うような。

「アリーシャ、これ、やるよ」

籐哉は寝ているときでも腕時計を嵌めている。

腕に付けて使っていると自動的にゼンマイが巻かれる仕組みになっている自動巻きといわれる時計だ。

「カチカチ言ってるね。これ生きてるの?」

籐哉から差し出された(レイリア的にw)時計にアリーシャは興味津々。

「生きているのかもな」

「数字はこの世界にも存在するんだけど、これはどうして12までの文字が書いてあるの?」

「俺の世界では一日は24時間、12は0時も意味していて、その時計だと12の部分は0時と12時を意味する。もちろん、24時間で表示するものもある」

「一日って何?」

「いやいやいや、お前、18才って言ったよな?日付がない世界で年齢は分からないよな?」

「あっ、あれ適当に言ってみた」

「適当に言われた事を信じていた俺がここにいますよ」

「でも、嘘でも無いと思う。頭に浮かんできた数字だから」

「なるほど、こっちがそういう感覚を理解しなきゃいけない世界なんだな。幼いとか、大人とかの区別は?」

「数字と同じで感覚。もちろん、見た目でもある程度は判断できるし」

「そうきたか。それでこの城の外の光の源は?」

「気になるなら、外に出てみれば」

もう考えるのはやめよう。

ここは夢でもなければ、現実でもない。

今までの常識に捉われては駄目だ。

別の惑星に来ているようだ。

そうだ、それでいい。

俺、負けるな。

俺、頑張れ。

いや、頑張りすぎるな?

頑張りすぎると壊れるぞ?

まあ、そういうことだ。

どういうことだ?

いや、自分で自分にツッコミを入れている場合でもない。

さあ、ベランダに行ってみるか。

「よし、外に出てみるか」

ベランダのドアを開けたその先に待っていたものは数え切れない数の星ぼし達の輝きだった。

「籐哉の想像していた光だった?」

「違う、でも、それ以上だな」

神秘的な星空の世界に全身が包まれる。

こんな世界もあるんだな。

俺が夢で見る世界とはまた違う、いやそれ以上か。

あっちの世界では高1の俺じゃ、こんな景色は経験できないだろうな。

高1とか関係ないか。

優等生を演じて、良い息子を演じて、良い彼氏を演じて、好かれる人間を演じて、自分を守って、自分を隠して、自分に期待せず

この世界に住んでいる人間達だと人によってはこういう俺の想いや行動さえ、自由に感じるのかもしれないな。

いや、俺の世界でも国によってはそうだろうな。

こんな綺麗な星空を目にしながら俺、何を考えているんだ。

「籐哉、大丈夫?」

自然と目からあふれ出していたものを籐哉には止める術がなかった。

「ああ、すげぇー世界だな」

溜まっていた感情が零れ落ちていくように籐哉はその涙が枯れるまで流しつづけよう。

そう心の中で思った。




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Counter world③ [Counter world]

ガーネットといえば、赤、オレンジ、緑と紹介しましたがこんな色もあります。


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西アフリカのマリ共和国で産出される黄色のガーネット。

その名もマリガーネット(マリで採れるのでマリガーネットらしいのですが正式名称ではないようです)

黄色いものから、黄緑したもの、緑が強い黄色など、成分によって、色々な色が見られるガーネットです。

日本だと高額な宝石用ルース、もしくは装飾品の宝石製品として入ってくるか、曇りのあるタイプが天然石の原石として、入ってきていると思います。

透明度の高いものの産出は少なく、宝石質のものはとても希少なガーネットになります。

200.jpg


こちらは黄色でも白さの多い感じでマリガーネットが濃い黄緑、黄色を特徴とするなら宝石質の透明度があっても、ルースにはならない色かもしれませんが書き手はこういう淡い色合い、大好きです♪

100.jpg


こちらはマリガーネットの特徴ある色合いで透明度も良い感じの原石なので研磨すれば、綺麗な宝石ルースになりそうですね♪(書き手は研磨できないのでその美しさを永遠に秘めたまま、原石状態かもw)

もちろん、緑っぽい色合いのものもあるのですが黄色のガーネットの紹介をしたかったので省きました^^

そして、マリガーネットは名称ではないのでガーネットではグロッシュラーガーネットに分類されます。

その力の効果は多くあるようですがいつものように参考にと書ききれないほど、書き手には良い石のようですが
、引用不可のサイトだったのでこちらで見てください^^;

https://www.gemstone-wiki.com/415-grossular-garnet.html


今の書き手にはぴったりの効果ですが手にしている石たちすべての力があれば、凄い効果を生み出すはずなのですがそれよりも我心に眠る闇の力に劣るというのか?(妄想世界に少し入りましたw)


それではカウンターワールドの続きをどうぞ♪



Counter world③

(一条籐哉②)


「それで籐哉。お前はまず何が知りたいのだ?」

「うーん。この世界にどうやってきたのか?かな」

「なるほど、確かにそうだな」

「アリーシャ、やっぱりその口調に戻るのか?」

「癖がついちゃってるからね」

「いやいやいや、ついてたらそんな簡単にその話し方にならないし」

「それよりも知りたいんだよね?」

「もちろんです^^;」

「正直、この世界に来た方法は見当がつかない」

「聞いた俺が悪かった」

「ただ、籐哉が見ていたという夢の世界はover wallだろうな」

「over wall?]

「うん」

「壁を越える?」

「私達の世界には心と体には別々の世界が存在されるとされている。心だけがその世界に行く事が出来るという現象を聞いた事があるわ。さっきの言葉そのままなんだけど、over wall 現象」

「俺のいる世界でいう死ぬ前に見える世界のことか。いや、そういう世界とは違うのか」

「心の世界とはいっても誰もが行ける場所じゃない」

「アリーシャのいうことが本当なら、俺、子供の頃からその世界に行っていたのか。それでどうしてアリーシャのいる世界に」

「トゥーヤ・アルフレートのせいなのかもしれないわね」

「トゥーヤ・アルフレート?」

「私が結婚するはずだった王様」

「ああ、幼き王様か。その王様、若くして王になったということは父親の突然死とか?」

「いえ、違うわ。父親を追放したのよ」

「息子が自分の父親を追放って。その理由は?」

「噂では、母親の為だとか聞いたわ」

「なるほど。あれだろ、王様が好き放題して、堕落して遊んでるうちに疲れきっていた王妃の方にも恋慕う人が出来てしまって、その現場を押さえられ、王妃がその座をおわれたとか」

「その通りよ。どの国でもある話かもしれないけど、籐哉すごいわね。そして、トゥーヤ、アルフレートの母親は王妃から奴隷にまで落とされた」

「恐怖政治だな」

「この国は王様よりも王妃を慕う人民が多いと聞いていたから、嫉妬も混じっていたのかも」

「それが本当の話なら、やりすぎだよな。寧ろ、王妃を貶めて、人民の恐怖を煽ったのか」

「それもあるかもね」

「そうだとしても、今の王に父親を追放する力があるのか?それとも王妃、王子派閥が強力だったとか?」

「内乱さえ起こらなかった」

「前準備でもしていたとか?」

「それも違う」

「俺に推測できるのはここまでだな」

「ドラゴンの加護が委譲されたの」

「ドラゴンって、さっきの話にあったこの国のドラゴンか?」

「実際に姿を現したのを見た人はいないらしいけど、ドラゴンの加護が前国王からトゥーアに移ったらしいの」

「この国は小さい国だと言っていたがそのドラゴンの加護とかいうものもこの国の生き残っている理由の一つでもありそうだな」

「その通りと言いたいけど、ドラゴンの加護がどういうものなのか、この国の人たちでさえ、知らない事なの」

「アリーシャは知ってるの?」

「永遠の命」

「いや、それは違うだろ。永遠の命があるなら一代限りの不死身の王様がまだいるんじゃないのか?」

「ドラゴンの意志によってのみ委譲される。ドラゴンの機嫌を損ねることをすると即剥奪ってことじゃない」

「やっぱり、永遠の命じゃないし」

「長く治める事が出来たらそれに近いこともあるんじゃない」

「まずない。人間だよ、人間。この世界も俺のいる世界も権力を握ってしまえば人には欲が出る。欲の形が違えど、その行動、有様を見て、ドラゴンがその1人の人間だけを加護しているならどのタイミングで委譲されるのかは分からないがドラゴンの思う人の王としての何かが失われたらアドバイスされることもなく、謝罪する間も許されず、即委譲だろ」

「そうでしょうね」

「俺の世界なら毎日王様が交代しているかもな。いや、それよりもドラゴンの怒りを買って人類が滅ぼされる可能性が高いかもしれないな」

「籐哉の住んでいる世界って、ここよりも酷い世界なの?」

「奴隷制度は俺の住んでいる国にはない。といっても、世界という視点で考えると貧しい国や独裁国家が存在する以上、そういうものが存在しているのかもしれない。でも、平和で豊かな俺の国でも家柄と権力というものは存在してる。庶民には気づかない、気づかせないって感じでうまく政策を取っていると思っていたけど、ここ最近は強行採決や独断実行、賄賂収賄と、国民の反感を煽るようなことばかりが目立つ。俺の国もこの先どうなっていくのか、正直分からない」

「一庶民である籐哉がそんな話をしたり、国家権力に対して、そんな発言して許されるの?」

「民主主義だからな、俺の国は。民が主の国・・・・・なはずなんだけど、どうして、家柄や権力が主だから、由々しき事態だな。って、俺は気付いたところで何かが変わるわけでもないけど」

「いえ、変わらないと!気付いたならそれは自分の人生の破滅を意味するとしてもせめて考えなさい。あなたはこれからドラゴンと対峙する人間なの。そのままじゃ、ドラゴンの巣窟に辿り着く前に死んでしまう」

「普通に山登りして、ここがドラゴンの巣窟です・・・到着しました・・・さあ、頑張りましょう♪の最短ルート攻略じゃないのかよ。まさか・・・・」

「はい、その通りです」

「アリーシャ、俺まだ何も言ってない」

「はい、正解です!」

「お約束があるんですね?」

「お約束?」

「辿り着く前に多くの試練が待ち構えている的な?」

「ああ、それはないです」

「遠い目をしてこっちを見るのはやめていただけますか、アリーシャさま」

「何を言っているんですか、籐哉さま」

「それで試練ルートがないとして、どうして、死んでしまうんですか?」

「ドラゴンに選ばれたものじゃないと、聖域に入った瞬間、魂を取られるといわれています。まあ、噂です噂」

「過去にそういうことがあったのですか?アリーシャさま」

「籐哉さま、わたしにどうして、さまをつけるのですか?私もさまをつけてしまうではないですか」

「そ・れ・は・で・す・ね・・・・俺に討ち死に迎えと、王妃になられるであろうお方がご命令なされるからです><」

「わ・た・く・し・・・・・その様な事は一言も口に致しておりませんが?」

「選択肢はないんだから、覚悟はしていたけど、俺、死ぬのか?」

「分からない」

「まぁ、いいけどさ」

「良くは無いでしょ!私が付いているのよ。簡単に死んでもらったら、この私の名に傷が付くわ」

「ああ、それは大丈夫だ。俺が失敗したら隠すか、どう誤魔化すか、考えておけばいいし」

「籐哉、選択肢はないって言ったけど、諦めるために行くんじゃないの?分かってる?」

「俺は俺に期待してないから、諦めるためでもいいんだけどさ」

「あなたにはあなたの世界で待ってる家族や恋人がいるんでしょ!それに初めての相手も今目の前にいるのよ」

「だからかな」

「だから?」

「俺の両親。俺とは血の繋がりはないんだ。彼女も俺がいなくなれば、また別の男作ると思うし。本当に幸せな日々だったよ。それに甘えて、自分の好きな事ばかりをやっていたらこんな世界に飛ばされてきた」

「こんな世界。だよね、籐哉の住んでいる国の話を聞くと、そうかもしれないね」

「アリーシャ、さっきから喋り方がどんどん変わってるぞ」

「ええ、そうですわ。そうだよ。それが悪い。私だって、この部屋に覚悟を決めて、入った。しかし、そこにいたのは王様でもなく、一庶民のあなた。一庶民には一庶民の自由があるけど、王家の姫となると、政略結婚の駒として扱われる。それに納得できなくても、理解した振りをして、嫁がなきゃいけないの。あんたにその気持ちが分かる。そして、私は見ず知らずの一庶民のあんたに賭けたの。ええ、私の勝手な気持ちと勢いに任せたところもあったのかもしれないけど、初めての相手に選んだわ。家柄や権力?そういうものって不自由で縛り付けられて抜け出す事の出来ない呪いのような一面もあるのよ。一庶民のあんたには分からないだろうけど。私は庶民の生活に憧れて、庶民の生活に紛れてこっそりと暮らした事もあるのよ。その時友達になった子が奴隷として売られていく事になったときに私は正体を明かした。多くの人が私の前にひれ伏したわ。その友達も普通の生活が約束され、その場は凌げた。しかし、20年の城外出禁止令が出された。その禁止令以外にこの国の王との結婚カードが出された。私は今18。その私は38になるまで城を出る事が許されない。それとも弱小国とはいえ、神国といわれる国へ嫁げ。あなたでも、今ここにいる私の選択を間違いとは思わないわよね。何がどうなっているのか分からないのはこの私。このまま国に帰ることになれば、私は城の中でただ老いていくだけのやっかいもの。分かった。私はそういう人間」

「ごめんなさい」

「謝らなくていいから」

「それでも俺は俺には期待しない」

「それでも行くのよね?」

「才女の力には期待してもいいかな?」

「ふぇっ」

アリーシャが少し慌てる。

「アリーシャの為にも死なないように最善も尽くす」

籐哉の瞳が力強く、アリーシャに注がれる。

「しょうがないわね。わたくしに期待しなさい、一条籐哉」

「よろしくお願いします」

「ええ、頼まれてあげるわ。それからレイリア、もう出てきてもいいわよ」

「レイリア?」

ベランダ越しにアリーシャを警護していたと思われる人影が姿を見せた。





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Counter world② [Counter world]


寒いはずなのに昼間は温かくなったり、気温差が激しいので体調も崩れやすいのでみなさん、お気をつけ下さい><









Counter world(カウンターワールド)


(トゥーヤ・アルフレート①)


「over wallの中か」

前国王の不正を暴き、幼くして国王の座についた少年が納得したように暗闇の中で輝く虹色の世界の中で寝そべっている。

ここがドラゴンの巣窟であったなら我は苦しみも無く、果てることができただろうか?

星空の無いこの世界でいつまでもこうしていたいと思う事はわがままだろうか?

父上は今頃、面識のあった他国へと落ち延びる事が出来たであろうか?

そうなれば我が身は父上の謀略によって謀反人として、他諸国から討伐されるのだろうか?

何人もの愛人を囲い、国づくりを忘れ、すべてを部下や領主たちに任せきった。

それを原因にこの国では内乱、暴動が頻発した。

そして、母上も融資の相談役として招いていた商人の男と恋に落ち、奴隷の身分にまで落とされた。

今頃は何処を彷徨っているのだろう。

この身が王になれば母上の身分を戻す事もできるのではと思ったがそれを探す事も保護することも許されず、せめて、居場所だけでも掴めればいいのだが。

我には何一つない。

我には何一つ残らない。

我には何一つ変えられない。

我にはこの命さえ、ドラゴンの加護により、絶つ事が出来ない。

我が身の代わりとなるものがこの世界の理を創造してくれればいいのだがその様な願い届くわけもない。

(我加護の元に選ばれし王よ)

(そなたの願いは届いた)

(この世界の理をそのものに託す覚悟はあるか?)

「もしかして・・・・・・」

(お前を加護するものだ)

「我願い、聞き入れると」

(お前は別世界の理を壊すまでこの世界に戻る事が出来なくなるがそれで良いか?)

「代わりとなるものにより、この世界の理に変化が訪れてもですか?」

(そうだ。一つの世界だけに変化をもたらせても、それではもう一つの世界の扉は開く事が出来ない)

「母上の笑顔を取り戻す事が出来るならそれで構いません」

(取り戻せるかどうかは私の知るところにない)

「承知しています。私が勝手に思っているだけです」

(それでも良いのだな)

「はい、全身全霊を持って、我が身を捧げます」

(目を閉じよ)

目を閉じたトゥーヤは暖かな感覚をその身で感じていた。

次の瞬間、感じたことのない硬さを背中に感じた。

「ここが変革を起こさねばならぬ世界か」

自分の部屋と比べるまでも無く、四方八方が瞬時に見渡せる狭い空間。

背中に感じた硬さの原因はベッドに置かれていた何冊かの本のせいだった。

「どうやらこの部屋から変革、いや整理をしなければならぬようだ」

籐哉の部屋は本棚で囲まれている。

その空いたノートパソコンを置く為の丸型のテーブル。

ゆったりと読書を楽しみ為のものだろうか。

セミダブルサイズのベッド。

その広さを利用して、ベッドには何冊かの本が準備されているように置かれていた。

「執事やメイドがいるような主ではないようだがよく考えれば、この状態を勝手に動かしてよいものだろうか」

悩んでいるトゥーヤ。

そして、前触れも無く、籐哉の部屋の扉が開く。

「籐哉、ご飯だって言ってるでしょう!いつまで本・・・・失礼しました」

開いたと思った扉が何事もなかったかのように閉じる。

「あの子は誰?籐哉の友達?見た事ないから最近知り合ったのかしら。だとしても、早朝に遊びに?もう一度確認してみるしかないわね」

そして、また扉が開く。

「短い間だと思うが世話になる」

籐哉よりは年下と窺える少年が頭を下げている。

東子は無言でトゥーヤを見たまま、動かない。

「すまないがそちらのご子息は我国の世界に飛ばされておる」

「じーっ」

「私の我ままに何も知らぬまま、同じように飛ばされ、困惑しておると思う」

「それでそれで」

「この世界の理を変えるために来た」

「この世界の理?」

「そのためにはこの世界の事を知らねばならない」

「それならあの子の部屋は丁度いいわね」

「どういうことだ」

「この部屋の棚の本は資料として向いていると思うわ」

「そうなのか。非常に助かる」

「その前にご飯を食べに下りてきなさい。話はそれからにしましょう」

「承知した」

「それから汗臭いその服をすべて脱いで、あっ、ついでにお風呂に入りなさい」

「これを脱げというのか。王家の証である」

「ここを借りたいのよね?主のいうことが聞けないなら出て行ってもらうけど」

「この国の作法に従うことにする」

痛いところを突かれ、トゥーヤが服を脱ぎだす。

「ここじゃなくて、いいから。とりあえず、付いて来なさい」

「承知した」

東子に連れられて、二階にある籐哉の部屋から一階にある風呂場に降りてゆくトゥーヤ。

籐哉の母である東子は別世界から来たトゥーヤを違和感無く、風呂場に案内し、蛇口や石鹸、シャワー、替えの下着や体を拭くためのタオルまで説明した。

「この恩は近いうちに返す」

「はいはい、いつでもいいからね。それじゃ、ごゆっくり」

そういうと風呂場の扉を閉めた。

そして、食事を終えて、出勤前に寛いでいた進に抱きつく。

「と、東子?」

「息子の部屋に別世界の人間がいたんだけど」

「またまた、出勤前にそういう話やめてくれよ。甘えてくれるのはうれしいけどさぁ」

「いやいやいや、今日は会社休んでください。有給まだ残っていたわよね?」

「急にどうしたんだ?」

「だから、本当に籐哉が王子さまのような少年と入れ替わったの!」

「そうかそうか。体調不良で休む事にするよ。お前を病院に連れて行かないとだ」

「そうじゃなくて。今その子はお風呂に入っている。出てきたら分かるから」

「王子さま?お風呂?出てくる?」

「うんうん」

「またまた(笑)籐哉が朝から風呂に入るのが珍しいから驚かそうとしているのか。それだったらそろそろ時間だし、仕事に行って来るぞ」

進が居間のドアを開けようとしたとき、見ず知らずの少年が入ってきた。

「良い風呂だった。食事の方も頂こうと思い、来たのだが」

「出来てわよ。この椅子に座って」

「これはどのようにして使えばよいのか?」

「こっちの方が良かったかしら」

そういうと、東子は箸をフォークとスプーンに替えた。

「手間を掛けさせてすまない」

「いいのよ。しっかり食べてね」

「ありがたく頂く」

東子の流れるような対応に反して、進はその少年の一進一動を目で追いながらも呆然と立ち尽くしていた。


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Counter World① [Counter world]


これからある賞(3月末締め切り)に出してみようかと思い、新作にチャレンジしてみます!

作品発表後の作品も応募可能ということなので現在進行形で書いてみようとか思いました。

構成、世界観を考えたり、纏めたりせずに、相変わらずのその場の妄想力勝負で行きます!(笑)

自分の意図するところがあるので相変わらず、会話の多い作品になります!

なので作品のあらすじ説明とかしてみたいのですが話の流れが読めないので書けませんのでいつもの事ですがお許しください♪

意図してこの作品に関しては

作者:touyaになります。



Counter world(カウンターワールド)



(一条籐哉①)



「今日もまたこの場所か」

幼い頃から定期的に見るこの景色は何一つ変わることなく、久遠の時間を制止しているかのように俺以外の人影は見当たらない。

この世界には日常で立ち並ぶビルも住宅地も目にすることは無い。

そして、この世界では絶え間なく、雨が吹雪く。

いや、舞い踊っているという表現が正しいのかもしれない。

その雪は現実世界に降る雨の色とは少し異なる。

虹色に輝き、この幻想世界の光源になっている。

夢だと分かっていても、目を閉じたその先の光を感じたくて、俺は目を閉じる。

そして、その先を見ることなく、現実世界で目を覚ます。

俺が憧れる世界を俺はいつまで見ることが出来るだろうか?

忘れてしまう日が来るのだろうか?

忘れる?

夢だから忘れるって言う言葉は間違っているかもな。

夢なのに定期的に見ることが出来ることも不思議なんだが。

それについては触れないでおこう。

そういう疑問がこの夢を見ることを閉じる原因になりかねない恐れもある。

さあ、今日も一日頑張ろう!

って、ここはどこだ?

このベッド、寝心地良すぎ・・・・俺が大の字になろうが手足が上下左右、ベッドからはみ出すことがない。

極めつけは掛け布団の感触、ふわふわのモフモフで目覚めようとする俺の心を簡単に打ち砕く。

上に目をやると、綺麗な青い眼をした美女が俺を睨んでいる。

「うんうん、なるほど、これもまだ夢の延長という訳だな」

「それならこの美女に睨まれても恐くない」

「いや、寧ろ、この美女にキスしてみるか」

「夢の中限定のアグレッシブモードを発動してみるか」

「そんなモード、今考えてみたが夢の中だったとしても俺にはそこまでの度胸もない」

気づけば、その美女の顔がこちらに近づいていた。

「もしかして、これはツンデレからの甘えモードに変わる意表をつくご褒美ルートか」

「いや、待て待て、そうだったとしても、俺には綾乃という大事な彼女がいる」

「しかし、夢の中なら」

籐哉がその続きを言おうとする前にその美女は迷うことなく、籐哉の唇に触れた。

唇に触れたのは美女の指先であって、唇ではなかった。

「大事な女性がいるのにも関わらず、他の女性に目移りするなど、最低の男だな」

心の声が途中から漏れていたことに気づくと同時にその美女が顔を近づいてくると同時に自然に目を閉じてしまっていた自分の行動の恥ずかしさに赤面しながらフリーズしている籐哉。

やばいやばい、やってしまった。

心の声をいつのまにか言葉として出してしまっていたとは不覚。

それはそれとしてだ。

これは夢の中なんだよな。

部屋の中を見渡してみたが中世の古城特集とかで見たことのある内装か。

現実離れした夢であることは間違いない。

この美女はツンデレモードから変化はない。

綾乃とは手を繋いだり、抱きしめるまでしか出来てない。

それだけですげぇー幸せなのもあるし、正直なところ、勇気がないところもある。

「よし、決めた」

そういうと、籐哉は布団から半身、体を起こしたと同時にアリーシャの体を引き寄せ、戸惑っているアイシャの表情も気にすることなく、その艶やかな唇に触れた。

「何をする!」

緊張からか、アリーシャの声は本人が想像する以上に小さく、籐哉には聞き取りにくかった。

「よし、ちゃんとした感触はあるようだな。それなら改めて、決めた」

籐哉本人は夢の中のことだと、完全に勘違いしているようだ。

「夢の中の最初のキスの相手は君に決めた」

どストレートに目の前の見ず知らずの男にファーストキスを宣言されたアリーシャは拒むよりも緊張で体が固まってしまったらしく、うまく言葉が出せない。

そして、その間にも籐哉の顔がアリーシャにその唇に近づいてくる。

アリーシャは覚悟を決めて、目を閉じた。

しかし、その後、何事もない。

唇の感触も伝わってこない。

「やっぱり、駄目だ。俺には無理。綾乃のあのムスッとした顔が頭の中に浮かんで耐えられない。夢の中でもあいつの事、すげぇー思ってるんだな、俺」

その言葉に満足している籐哉に力強いビンタが右頬に飛んだ。

「その決断には助かったわ。いや、見直した。あのギリギリの場面でよく留まったと褒め称えてもいいわ」

「お、おぅ。夢の中とはいえ、こんな美女とファーストキス出来る展開はもう二度とないかもしれないが」

「それから、さっきから夢の中、夢の中と言ってるけど、ここは現実世界であって、あんたこそ、夢の中から飛び出してきた人間じゃないの。何よ、その服装、髪型、肌の色も合わせて、この国の人間ではないようね」

「ここが現実世界?いやいや、ないない。ないない。大事な事なので二度言いました。こんな部屋に住む事が出来る人間って、俺はそんな身分でもないし、時代錯誤も合わせて、現実的ではない」

「まあ、その件についてはあとでお話しましょう。それよりも、この部屋のいや、この城の主を何処へやったのかしら?私の恋人、いや婚約者として、決められていた人だったんだけど、どう見てもあなたではないわよね」

「またまた。恋人の顔も知らないなんて、いつの時代の話だよ。顔も知らないなんて、ありえないだろう。こんな豪勢な部屋、いや、城って言ったか。そんな場所に住んでいる人間なら、写真、いや、スマホやネットで画像を検索すれば、すぐに出てきそうだし」

「あなたの言っていることは夢の中のお話の事かしら。写真、スマホ、ネット・・・画像?その単語を耳にするのは初めてですが何なのですか?」

「はぁ、美女とのファーストキス展開からめんどくさい感じになってきた。これならせめてキスしとくんだった」

「わたくしの最初の相手はその方だと決められております」

「顔の分からない行方不明の王子様」

「いえ、王様です」

「もうそういう展開はいいからそろそろこの夢から」

籐哉の唇に柔らかい感触が伝わる。

唐突に起きた出来事に籐哉の目は開いたままだったがそれだけでなく、アリーシャの瞳も開いたままだった。

一瞬でその唇は籐哉から退く。

「あなたはこれで裏切り者ね。そして私も裏切り者。あなた、この国の王になりなさい。あなたの為に、私の為に。いい、分かった?」

「冗談・・・・ではないんだよな。ファーストキスの代償にしては」

籐哉の会話を遮るアリーシャ。

「私の初めての相手なんだけど。代償?今あなたは現実が見えてるのかしら?王様の婚約者の唇を奪い、この部屋に居座る見ず知らずの盗賊、いや王殺しの疑いも掛けられるでしょうね?あなたにある選択肢は私と一緒にこの国を乗っ取るしか残されていない。しかも、こちら側は大いに譲歩してあげているんだけど」

「これが夢で無いと仮定し、今までのお前の発言がすべて本当ならその通りだ。しかし、そうだと考えると腑に落ちない点がある。俺が捕まり、極刑になるとしても、お前はただ自分の国に返されるぐらいだよな。王がいないならその兄弟が王位を継承することになるだろうということも理解できる。しかし、俺が殺されるとして、殺されたくない理由がお前にはないよな?」

「ええ、その通りよ」

「それならどうして俺を助ける」

「面白そうだから」

「どういうことだ?」

「人生って一度しかないんだからそういう選択肢もありかなと思ったのよ」

「俺には極刑か、王様の選択ししかないんだよな?」

「極刑か、乗っ取りでしょ?この国の王はまだ若いと聞いているから年齢はあなたぐらいかもしれない。だけど、見た目どおり、この国の王様の偽物にもなれないわ」

「なら、極刑しか、残されていないということになる」

「ならない。周辺諸国一の才女と言われるこのアリーシャの力を持って」

「待った!その先は言うな。言わなくても俺には分かる。俺に腹を抱えて笑われたくないからやめておけ」

「よく分からないけど、分かったわ」

「それで才女の力を持って、どうするんだ?」

「正直、誤魔化してやりすごせる事とそうもいかない問題がある」

「だろうな。とりあえずはこの世界のこと、この国のこと、詳しく教えてくれないか」

「ええ、いいわ。私の事も含めて、長くなるけど、覚悟はいいかしら」

「なるべく、短くお願いします」

「この世界はこの世界、この国は希望を意味するシュラールという国。意味と反して希望のない国。周辺諸国の中では弱小国の一つ。この国が生き残っている理由はただ一つ。ドラゴンの住む神聖な山を所有しているため」

「ドラゴンなんているわけ無いだろう」

「ええ、伝説上の神獣だとわたくしも思っている」

「目撃情報とか、足跡とか、ドラゴンにしか起こせない奇跡や自然災害」

「あなた、意外と博識がある人間なのね」

「それとだ。そういうもののほとんどは嘘や見間違い、見当違いだ」

「博識に現実主義者か」

「そのドラゴンの力で王様が生まれ変わったとか・・・そこまでは」

「その手いいですね」

「それはそれとして、王女さまになりそこねた美女さま。高貴な口調で話すのか、普通に話すのか、統一してくれないか?」

「なりそこねた?その口をわたしの唇でもう一度塞いでやろうか?」

「はい、出来れば」

「う、うそに決まってるでしょ!」

お互いに照れてしまい、会話が止まる。

「それでドラゴンは本当にいるのか?お前はいると信じてるのか?」

「お前じゃない。アリーシャと呼ぶがよい」

「王女さま口調きたか」

「アリーシャと呼んでいい」

「アリーシャ、長そうな実名に関しては、聞かないから教えなくていいからな」

「そういうことで良いならそうしよう」

「で、ドラゴンについては?」

「存在する。子供の頃、空を飛んでいる姿を見た事がある」

「小さい頃なら大きな鳥をドラゴンと見間違えたとかありそうだよな?」

「ドラゴンを目にした人間以外は誰もがそう言う」

「それならその山に行き、ドラゴンを説得して、連れ帰るか」

「お前の言っていることは無茶苦茶だ」

「王女様口調どころか、育ちの悪い感じの口調きた。それから俺の名前は一条籐哉。籐哉でいい。それからアリーシャはアリーシャで。ミドルネームまでありそうな国の名前は覚えられん」

「籐哉か、不思議な名前」

「これからよろしく」

「こちらこそ」

この二人が打ち解けていた頃、籐哉の部屋でも若き王が目覚めようとしていた.。



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